諸行無常とはよく言ったもので夏休みも後十日である。ところで宿題が面倒である。夏休みの宿題である。思い起こせば幼少の頃(8歳ごろ)より8月の後半に良い思い出が無い。例えば小学五年生の頃、読書感想文が必須であった。今考えるとこの宿題を出した教師は正気ではなかったのかもしれない。だって感想文だよ、漸く年齢が二桁になった少年少女たちに本渡して感想よこせだよ?「主人公が小便漏らしたあたりの下りが面白かったよ〜」ぐらいが限界だっつの。それを原稿用紙3枚ほどにわたって書き連ねろと。まさに狂気のなせる業である。当時まだ真っ当なチルドレンズライフを優雅に送っていた僕は著作権法を屁とも思わない禁断の術、その名も「忍法本文丸写しの術」で9割ほど引用で埋めてやった。最早引用ではなくて二次創作とかコピーとかそんな類に近い感想文。それでも半日かかったしね。まさに煉獄。


とにかく宿題。やりたくない。しかしながらやらなければ教師、親、その他よくわからない物体たちから冷笑、哄笑、嘲笑、罵倒、屈辱とかを受けるのは確実。やらなければ。決意して紙の山の前に仁王立ちしたのがつい一時間前。無理だから。こんなにできない。圧倒的なこと山の如し。実際山。絶望的。サボるものもついには滅びぬ、ひとえに紙の前の僕に同じ。意味不明。後ろに控える植物繊維の固まり群が精神的圧迫を加えてくるので日記を終了とする。全ての宿題に光(焚き火)あれ!