学校で大掃除という名の聖戦(ジハード)が勃発したとの情報を聞いた僕は脊髄反射で学校をサボる事を決意したわけですが、どういうわけか気がつけば昇降口で上履きに履き替えているのでした。普段登校を自動操縦に任せているツケがこんなところで回ってきたわけです。


仕方が無いので掃除に参加。一説には敵の大軍を一振りでなぎ払う膨大な魔力を持つという伝説の魔法具である「箒」を手渡されたので、それを使って平衡感覚を鍛えていました。一分持ちました。喜んでたらクラスメートに殴られました。笑いながら殴られたにしては妙に痛かったです。


殴られないように部屋の隅っこでおとなしくしていたらいつの間にか掃除は終わり、帰りのホームルームの時間に。「教科書もって帰れ」とかいう声が聞こえたような気がしたので置きっ放しの教科書をかばんに詰め込んだらかの鞄激太りなされてしまったのでいささかの焦燥感を隠しきれません。ヒーコラヒーコラいいながら家へ持って帰る途中タイムサービス時のスーパーによくいるような方々に女子高生がわかりやすいヲタクを見たときのような目で見られながらも何とか帰還に成功しました。


漸く重さの呪縛から逃れられた開放感で全くの無意識にバックを放り投げる。溢れ出る教科書は当人曰く雪山の雪崩の如し。そういえば入りきらないからってチャック開きっぱなし。思わず失意体前屈。後ろには母が仁王立ち。そして巻き起こる聖戦(ジハード)。