夏休みなのに学校。補習授業。暑苦しい教室。茹った脳味噌はフル回転させても中学生レベルの英語の例題すら解けない。わからない。これ難しすぎ。でも心の深淵から声は語りかける、「多分中三のときだったらハナクソほじりながらでも解けてる」。頭蓋骨中の温度を考慮したって学力低下は明白。何故?これでも僕はろくすっぽ勉強してないのにそこそこの学力の高校に入りやがった不届きな奴として3人ぐらいに知られている。中学生レベルの問題ぐらいなら何とかなるはずなんじゃ・・・?しかし実際にはできてない。比類なき学力低下の嵐。学力低下の原因を考えてみるに、やっぱり深夜アニメの見すぎが原因か。時期的にも辻褄は合う。徹夜で勉強するという名目で実際に暗記していたのはピクミンのパーツのとり方だったと言う受験中。暇だったのでテレビをつけてみたら「げんしけん」がやっていたのが運の尽きだったのか。そこからは坂道を転げ落ちるように堕落、惰性を極め、ついにはPCゲームにまで手を出した。そして現在に至る。やっぱりこれが原因か。これからは一切平面世界から足を洗い、本業である勉強に集中しよう。しかし、そう思っていても決して実行できない。まさに蟻地獄。貴様が踏み込んだのはそういう世界だったのだ。どこからかそんな声が聞こえてくるような気がした。幻聴か。僕はもうダメなのかな。時は10時過ぎ、数学の課題を目の前にした途端妙に冷たくなった頭でそんなことを考える、夏の日の十五の夜。