夏休みは終わった。これは完全に事実であり、揺るぎようの無い真実であり、誰の目から見ても明らかな公理である。しかしながら、我が目の前には依然として夏休みの宿題がつまれているのもまた事実であり、何故夏休みは終わったのに宿題はサドンデス突入するですか?何で悪夢は終わらないですか?と一人呟きながら虚ろな双眸で天を眺めること山の如し、そしてそんなことをしているうちに失われる時間、プライスレス。


宿題は終わったはず。8月31日10時未明、僕は確かに歓喜の中にいた。その感情はしかし、ひとえに風の前の塵に同じ、儚く、そよ風一つでどこまでも飛んでいってしまうようなものだったのか。つまるところ何が言いたいかって言うと宿題やり直し。必死の形相でやり遂げた地学のレポートは明らかに手抜きとばれるので文章の校正&水増し。一番楽だった工芸のレポートは黒のペン書きで書かねばならず、しかもスケッチを描き忘れ。両方期限は明日まで。その後控えるのは怒涛の英単語テスト&百人一首テスト。これら悪夢を目の前にしては郵政民営化とかホリエモン出馬とか欽ちゃん球団大人気とか全ての事象は最早意味を成さず、ただただ圧倒的な虚無感の前に吹き散らされること「カトリーナ」の前の新聞紙に同じ。僕らの夏は終わらない。